カンピーナス(Campinas)(IPA: [kɐ̃ːˈpinɐs]) は、ブラジル南東部サンパウロ州の都市。
概要
サンパウロから約100km内陸に入った所にある。カンピーナスはポルトガル語で「草原」という意味であり、かつては草原の広がる農業地域だったが、人口の増加により、カンピーナス市内の大半は市街地となっている。
カンピーナスの人口は約121万人(2020年)で、周辺地域を含めると約360万人となり、州内ではサンパウロに次ぐ大都市である。
歴史
当初カンピーナスは、ブラジルの奥地開拓者(バンデイランテス)の基地として建設され、カンピーナス・ヂ・マト・グロッソと名付けられた。最初の入植はフランシスコ・バヘット・レメ・ド・プラドの下1739年から1744年の間に行われた。
1797年には町に昇格し、名称もヴィラ・ヂ・サォン・カルロスに変更されたが、1842年に市に昇格した際にカンピーナスとなった。
初期のカンピーナスの主産業は農業で、肥沃な土壌を利用して主にサトウキビやコーヒーの栽培が行われていた。しかし19世紀後半に入るとコーヒーの需要が伸び、市の人口は飛躍的に増加した。空前のコーヒー景気の中1872年にはパウリスタ鉄道会社が設立され、カンピーナスはブラジル有数の大都市へと成長した。20世紀に入って黄熱病が流行し、人口の3割を失う大きな打撃を受けたが劇的な復興を見せ、「不死鳥の町」として広く知られるようになった。
1930年代になるとコーヒーの価格が暴落し、代わりに工業が盛んになった。工業の急速な発展は労働力の需要を大きく増加させ、カンピーナスにはイタリアを始めとした多くの国々からの移民が流入した。また1970年代から1980年代にかけてはブラジル国内からの大規模な人口の流入が見られ、その都度カンピーナスは大きく発展した。その発展の目覚しさはしばしば同州のサンパウロ市に対して「西方の姫君」と形容されるほどであった。さらに市内には数多くのバスターミナル(ホドヴィアーリア)が建設され、カンピーナスは陸上交通の要所としても特筆すべき発展を見せた。1990年代にはカンピーナスにIT関連のハイテク産業が集中し、多くの優れた教育・研究機関も設立された。
しかしながら、1998年以降カンピーナスから工場が大量に移転した為、依然としてハイテク産業や諸研究機関の中枢ではあるものの、現在では商業が主産業となりつつある。
経済
工業
おもな工業製品は織物、機械、農業機器。
教育
- カンピーナス州立大学(1962年創立)
- カンピーナス・カトリック大学(1941年創立)
交通
空港
- ヴィラコッポス国際空港:100kmの距離であるにもかかわらず、サンパウロ市内のコンゴーニャス空港との間に航空便がある。
バス
市内各所に、数多くのバスターミナル(ホドヴィアーリア)が存在する。
道路
サンパウロとブラジリアを結ぶ幹線道路が通っている。
文化
スポーツ
- サッカー
サッカークラブのAAポンチ・プレッタとグアラニFCがカンピーナスを本拠地に活動している。
気候
姉妹都市・提携都市
- サンディエゴ(アメリカ合衆国)
- コルドバ(アルゼンチン共和国 コルドバ州)
- トリノ(イタリア共和国 ピエモンテ州)
- マリート(イタリア共和国 カラブリア州)
- ダロア(コートジボワール共和国 サッサンドラ・マラウェ地方 高サッサンドラ州)
- ノヴィ・サド(セルビア共和国 ヴォイヴォディナ州)
- 福州市(中華人民共和国 福建省)
- 靖安県(中華人民共和国 江西省 宜春市)
- 撫順市(中華人民共和国 遼寧省)
- コンセプシオン(チリ共和国 ビオビオ州)
- 岐阜市(日本国 中部地方 岐阜県)
- アスンシオン(パラグアイ共和国 アスンシオン首都圏)
- エリコ(パレスチナ国 ヨルダン川西岸地区 エリコ県)
- サンタ・クルス・デ・ラ・シエラ(ボリビア多民族国 サンタクルス県)
- ブルメナウ(ブラジル連邦 サンタカタリーナ州)
- ベレン(ブラジル連邦 パラー州)
関連項目
- カンピーナスの聖母
脚注
外部リンク
- Official home page (ポルトガル語)




