2024年のFIA F3選手権は、FIAフォーミュラ3選手権の第6回大会となった。
レギュレーションの変更
技術規定
- 燃料の導入
- 昨年はアラムコから供給された55%の持続可能燃料を導入したが、今年は2027年までに100%の持続可能燃料を導入して使用量の漸進的な増加を計画しているため、更なる持続可能燃料の向上が計画されている。
- 二酸化炭素排出量を削減するために導入する。
- 新タイヤの導入
- 昨年度にピレリのミディアムタイヤの耐久性に関する懸念から複数のレースが短縮して行われていたことにより、今年度より新しいタイヤ仕様が導入される。
競技規定
- 今季よりドライバーが予選中に赤旗を発生させ、利益を得るのを防ぐため、F2とF3の両方に新たなルールが導入される。これによりスチュワードが「ドライバーが原因で赤旗が発生した」と判断した場合、原因である当該ドライバーに対してセッション中のラップタイムが削除され、それ以上は参加不可となる。
エントリー
参戦ドライバーの数は30人。全車がメカクローム製の3.4L V6自然吸気エンジンを搭載したダラーラ製の『F3 2019』のシャーシを使い、ピレリが供給するタイヤを使用する。なお、2025年からは新たなシャーシを導入する。
チームの変更
- 開幕前
- PHMレーシングは、昨年度はチャロウズ・レーシング・システムと共同運営を行っていたが、今年度より独立して運営を行う。また、AIXがチームの共同パートナーとなり、今年度より『PHM・AIXレーシング』として参戦する。
- ローディン・カーリンは、昨年度は「ロダン・カーズ」が過半数の株主となり参戦していたが、カーリンがチームを去り、ロダンが所有権を取得したため、今年度より『ロダン・モータースポーツ』として参戦する。
- 開幕後
- PHM・AIXは、共同パートナーとなっていた「AIX」がチームの所有権を取得したため、第3戦以降は『AIXレーシング』として参戦する。
ドライバーの変更
- 開幕前
- プレマは、昨年ランキング2位と3位となり、今年のF2に参戦するザック・オサリバン、ポール・アロンのそれぞれの後任として、レッドブル・ジュニアのドライバーであり、昨年のイタリアF4でランキング3位となったアービッド・リンドブラッドと、アルピーヌ・アカデミーのドライバーであるガブリエレ・ミニを起用した。
- トライデントは、昨年のFIA F3チャンピオンであり、今年のF2に参戦するガブリエル・ボルトレトと、カンポスに移籍したゲーテのそれぞれの後任として、昨年のFRECAに参戦したサミ・メゲトゥニフ、サンティアゴ・ラモスを起用した。
- MPモータースポーツは、今年のF2に参戦するフランコ・コラピントと、ヨーロピアン・ル・マン・シリーズのLMP2クラスに参戦するジョニー・エドガー、カンポスに移籍したボヤのそれぞれの後任として、昨年のFRECAにてランキング3位となり、レッドブル・ジュニアのドライバーであるティム・トラムニッツ、同じくレッドブル・ジュニアのドライバーであり、イタリアF4にてチャンピオンとなったカッパー・シュトゥカ、GB3選手権にてランキング2位となったアレクサンダー・ダンを起用した。
- カンポスは、今年のF2に参戦するジョセップ・マリア・マルティと、インドF4に参戦する飛雲バーター、 ARTグランプリに移籍したマンセル、AIXレーシングに移籍したデュフェックのそれぞれの後任として、レッドブル・ジュニアのドライバーであるオリバー・ゲーテと、セバスチャン・モントーヤ、マリ・ボヤを起用した。
- ハイテックは、プレマに移籍したミニと、カンポスに移籍したモントーヤのそれぞれの後任として、昨年のFRECAにてランキング2位となったマルティニウス・ステンスホーン、ユーロフォーミュラ・オープンにてランキング2位となったシアン・シールズを起用した。
- イェンツァーは、今年のFIA 世界耐久選手権のハイパーカークラスに参戦するアレハンドロ・ガルシアと、F2に参戦するテイラー・バーナード、AIXレーシングに移籍したベドリンのそれぞれの後任として、昨年のFRオセアニアにてチャンピオンとなったチャーリー・ヴルツ、FRECAに参戦したマティアス・ザガゼタと、マックスウェル・エスターソンを起用した。
- ファン・アメルスフォールトは、今年のインディNXTに参戦するカイオ・コレットと、F2に参戦するラファエル・ヴィラゴメスのそれぞれの後任として、昨年のユーロフォーミュラ・オープンチャンピオンとなったノエル・レオンと、アルピーヌ・アカデミーのドライバーであるソフィア・フローシュを起用した。
- ARTグランプリは、今年のFIA 世界耐久選手権のLMGT3クラスに参戦するグレゴワール・ソーシーと、全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権に参戦するケイレン・フレデリックのそれぞれの後任として、昨年のFRECAに参戦したローレンス・ファン・ホーペン、アルピーヌ・アカデミーのドライバーであるニコラ・ツォロフと、クリスチャン・マンセルを起用した。
- AIXレーシングは、今年のGB3選手権に参戦するマッケンジー・クレスウェル、FRオセアニアに参戦するマイケル・シン、GT4ウィンター・シリーズに参戦するロベルト・ファリア、ファン・アメルスフォールトとロダンにそれぞれ移籍したフローシュ、ウィスニッキの後任として、昨年のユーロカップ3に参戦したタサナポル・イントラプヴァサックと、ジョシュア・デュフェック、ニキータ・ベドリンを起用した。
- ロダンは、今年のヨーロピアン・ル・マン・シリーズのLMP2クラスに参戦するオリバー・グレイ、FRオセアニアに参戦するハンター・イェーニー、ユーロフォーミュラ・オープンに参戦するフランチェスコ・シモナッツィ、イェンツァーに移籍したエスターソン、チームを離脱したアイド・コーエンのそれぞれの後任として、昨年のGB3選手権チャンピオンとなったカラム・ヴォイシン、ランキング3位となったジョセフ・ロークと、ピオトル・ウィスニッキを起用した。
- 開幕後
- ハイテックは、ステンスホーンがFIAからの承諾を得ずに今年のGB3選手権に参戦し、違法なスポーツ上の優位性を得たため、第7戦の出場停止処分・撤退を発表した。代役として、今年のFRECAに参戦しているジェームズ・ウォートンを起用した。
- イェンツァーは、ザガゼタが虫垂炎による緊急手術を受けたため、第4戦の欠場を発表した。代役として、今年のGB3選手権に参戦しているジェームズ・ヘドリーを起用した。
- ARTグランプリは、ツォロフがFIAからの承諾を得ずに今年のユーロカップ3に参戦し、違法なスポーツ上の優位性を得たため、第9戦の出場停止処分・撤退を発表した。代役として、今年のFR中東チャンピオンであり、FRECAに参戦しているトゥッカ・タポネンを起用した。
- カンポスは、ゲーテがフランコ・コラピントの代役として今年のF2に参戦するため、最終戦の欠場を発表した。代役として、今年のFRECAに参戦しているノア・ストロムステッドを起用した。
カレンダー
2024年カレンダーは10ラウンドで開催され、全戦F1のサポートレースとして行われる予定。
結果
レース
ドライバーズ・チャンピオンシップ
- スプリントレースとフィーチャーレースの上位10台には以下のポイントが与えられる。
- 太字はポールポジション、斜字はファステストラップ。
- SR : スプリントレース
- FR : フィーチャーレース
チーム部門
- ポイントシステムおよび以下の書式はドライバー部門と同一である。
- SR : スプリントレース
- FR : フィーチャーレース
ノート
・†–ドライバーはリタイアしレースを完走できなかったものの、レース距離の90%以上を完了したため規定により完走扱い。
ペナルティポイント
- ペナルティポイントが12ポイントに達すると2戦(1ラウンド)出場停止。
脚注
注釈
出典
関連項目
- 2024年のF1世界選手権
- 2024年のFIA F2選手権
外部リンク
- 公式ウェブサイト(英語)




