海浜幕張駅(かいひんまくはりえき)は、千葉県千葉市美浜区ひび野二丁目にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)京葉線の駅である。西船橋駅から武蔵野線に乗り入れる列車も停車する。駅番号はJE 14。
概要
幕張新都心の玄関口となる駅であり、駅周辺には多くのオフィスビル・ホテル・ショッピングセンターが建ち並ぶ。駅南側には幕張メッセやプロ野球・千葉ロッテマリーンズの本拠地であるZOZOマリンスタジアムといった施設が立地し、イベントや野球試合が開催される日は多くの人でにぎわう。2005年のプロ野球開幕日から、地元の要望により列車の発車を告げる音楽(発車メロディ)にも千葉ロッテマリーンズの球団歌「We Love Marines」のサビ部分が採用されている。
武蔵野線から直通する列車(「しもうさ号」を含む)の千葉県側の終点駅となっている。このため、武蔵野線直通列車と京葉線内の列車の両方が利用可能である。ただし、朝夕通勤時間帯以外の早朝・日中・深夜などは当駅までの直通列車を設定していないため、南船橋駅もしくは市川塩浜駅での乗り換えとなる。2002年12月1日のダイヤ改正以前は日中にも直通列車が設定されていたが、京葉快速の南船橋駅への停車に伴い廃止された。
京葉線東京駅 - 当駅間の区間列車も多数設定されている。特に土曜・休日の日中の各駅停車は全列車が東京駅 - 当駅間の運転である。
京葉線快速の蘇我行きおよび内房線君津行き・東金線成東行き(土休日のみ)、日中の外房線上総一ノ宮行きは、当駅から先は各駅に停車するが、「各駅停車」とは案内されず、「快速」のまま案内される。
京葉線の途中駅では唯一特急「わかしお」が停車(特急「さざなみ」が運転される時間帯には、当駅に特急停車の設定がないため全列車が通過)し、東京発16時までの下り列車および当駅発11時以降の上り列車すべてが停車する。また、幕張メッセで開催されていた「東京モーターショー」・「Interop Tokyo」・「CEATEC JAPAN」などの大型イベント開催時に当駅始発東京駅直行の「さざなみ」が運行されたことがあった(2009年の「CEATEC JAPAN」向け列車までは「わかしお」として運転された)。
JR東日本が進める「エコステ」のモデル駅として2013年9月13日に駅リニューアルが竣工した。その際、4番線ホームのさらに南にあるスペースに太陽光パネルや風力発電機が設置されている。中央本線の四ツ谷駅・東北本線の平泉駅に続いて3番目の「エコステ」である。
歴史
京葉線が東京駅まで全通した当時は快速通過駅であったが、その後の幕張新都心の整備により駅周辺が発展し、現在では京葉線内の途中駅で唯一の特急停車駅となった。
年表
- 1986年(昭和61年)3月3日:日本国有鉄道(国鉄)の駅として開業。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化に伴い、東日本旅客鉄道(JR東日本)の駅となる。
- 1991年(平成3年)3月16日:ダイヤ改正により快速停車駅となる。
- 1995年(平成7年)12月1日:2・3番線を新設。
- 1997年(平成9年)3月19日:びゅうプラザが開業。
- 2000年(平成12年)12月2日:ダイヤ改正により一部の特急「わかしお」・「さざなみ」停車駅となる。武蔵野線の列車の乗り入れを開始。折り返し設備の使用を開始。
- 2001年(平成13年)11月18日:ICカード「Suica」の利用が可能となる。
- 2005年(平成17年)3月26日:発車メロディを導入。
- 2013年(平成25年)
- 3月1日:「ペリエ海浜幕張」6店舗先行オープン。
- 9月13日:駅リニューアル完了。「ペリエ海浜幕張」グランドオープン。
- 2020年(令和2年)
- 10月31日:みどりの窓口の営業を終了。
- 11月1日:話せる指定席券売機を導入。
- 11月27日:JR東日本の改札内に駅ナカシェアオフィス「STATION BOOTH」が開業。
- 12月1日:業務委託化。
- 2025年(令和7年)3月22日:公園改札の使用を開始。「ペリエ海浜幕張」の新エリアが開業。
駅構造
島式ホーム2面4線を有する高架駅で、高架下に駅舎がある。
千葉ステーションビルが駅業務を受託している新浦安営業統括センター(新浦安駅)管理の業務委託駅。話せる指定席券売機・自動券売機・自動改札機・自動精算機が設置されている。
2013年(平成25年)9月13日にJR東日本で3番目の「エコステ」としてリニューアルし、同時に高架下にペリエ海浜幕張がグランドオープンした。LED照明・高効率空調・節水トイレ・壁面緑化・地熱利用換気システム・太陽光採光システム・Low-E複層ガラス・遮光フィルムなどを採用し、上りホーム南側軌道脇には太陽光発電パネル、南側正面防風壁には風力発電機を設置している。延べ床面積は約4,540平方メートルで、うち店舗が約2,240平方メートルである。
線路の構造上、複雑な方向・案内になっている。開業後しばらくは2・3番線に線路が敷設されていなかったが、1995年12月1日のダイヤ改正直前に敷設された。外側の1・4番線が本線、内側の2・3番線が副本線で、緩急接続や通過待ち・折り返しに使用される。
のりば
(出典:JR東日本:駅構内図)
- 1・4番線の西側には地上に向かう線路の路盤が準備されており、4番線の南側にはこの線路に繋がる通過線のスペースも用意されている(1番線は駅の西側で線路が合流する設計になっている)。但し、駅構内の通過線に関しては太陽電池パネルの設置に活用され、線路の敷設は不可能になった。
- 2018年2月6日よりATOS案内が更新され、接近放送の英語放送追加や文面変更(「黄色い線まで」→「黄色い点字ブロックまで」)など、新形式での案内が他駅より先駆けて導入された。
- 主本線を発着する場合は通過が可能。
- 上りの機関車牽引の列車については駅の直後が上り勾配のため主本線で待避する場合有。
ペリエ海浜幕張
千葉ステーションビルにより、改札内に5店舗と改札外に22店舗の商業施設「ペリエ海浜幕張」が営業されている。詳細は公式サイト「ペリエ海浜幕張」を参照。また駅南口を出て蘇我寄りに第2幕張海浜保育園という保育施設がある。また南口高架下にはコインロッカーがある。2012年8月31日までは飲食店モール「Dila海浜幕張」が営業していた。
利用状況
2023年(令和5年)度の1日平均乗車人員は55,196人である。
京葉線内の中間駅では、新木場駅に次いで第3位、千葉市内では千葉駅に次いで第2位である(JR東日本全体では長津田駅に次いで第74位)。また、単独路線の駅、他社線への乗り換えがない駅としては県内1位である(舞浜駅とリゾートゲートウェイ・ステーション駅を同駅とみなすと2位)。利用者は年々増加しており、2007年度には5万人を超え、2011年度には新浦安駅を上回った。
年度別1日平均乗車人員(1985年 - 2000年)
開業以降の1日平均乗車人員の推移は下表の通りである。
年度別1日平均乗車人員(2001年以降)
- 備考
駅周辺
当駅は幕張新都心の玄関口であり、北西側と南西側にはイオン本社ビル(イオンタワー)をはじめとしたオフィスビルや商業施設・宿泊施設などが立地する。駅周辺は路上喫煙禁止区域となっている。
北口側
南口側
バス路線
バスターミナルが北口側にあり、当駅近辺の施設を目的地とする多くの路線バスが運行される。とりわけ、総武線および京成千葉線の幕張本郷駅を結ぶ路線は運行本数・利用者数ともに非常に多くなっている。そのため、連節バス「シーガル幕張」を一部系統で運行している。この他、茨城県潮来市・神栖市・鹿嶋市、羽田空港、成田空港、中部・関西方面への高速バスも運行される。京成バス・千葉海浜交通・平和交通・千葉シーサイドバスなどが乗り入れている。
ZOZOマリンスタジアムで千葉ロッテマリーンズの試合が開催される日に運行されるマリンスタジアム直行バスは、南口にある商業施設「プレナ幕張」にある、マリーンズのオフィシャルグッズショップ「マリーンズストア 海浜幕張駅前店」前の臨時バス停から発車する。
路線バス
「海浜幕張駅」停留所にて、以下の路線バスが発着する。
高速バス
その他
- 交通結節機能の強化や利用者の利便性向上を目的として、蘇我駅方面に改札口の増設が決まり、先述の通り2025年(令和7年)3月22日に「公園改札」として供用が開始された。
- 開業前の仮称は「新幕張」であった。
隣の駅
- 東日本旅客鉄道(JR東日本)
- 京葉線
- 特急「わかしお」一部停車駅
- ■快速
- 南船橋駅 (JE 11) - 海浜幕張駅 (JE 14) - 検見川浜駅 (JE 15)
- ■各駅停車
- 幕張豊砂駅 (JE 13) - 海浜幕張駅 (JE 14) - 検見川浜駅 (JE 15)
- 武蔵野線直通
- ■各駅停車・■しもうさ号
- 幕張豊砂駅 (JE 13) - 海浜幕張駅 (JE 14)
- ■各駅停車・■しもうさ号
脚注
注釈
出典
報道発表資料
新聞記事
利用状況
- JR東日本の2000年度以降の乗車人員
- JRの統計データ
- 千葉県統計年鑑
関連項目
- 日本の鉄道駅一覧
外部リンク
- 駅の情報(海浜幕張駅):JR東日本




